2017年9月の聖書の言葉
天が地を超えて高いように
慈しみは主を畏れる人を超えて大きい。
(詩編103:11)
![](https://www.nagoyayagoto.org/wp-content/uploads/2017/08/201709.jpg)
槍ヶ岳から穂高連峰までを眺望、撮影場所燕岳付(1990年)
この詩編の言葉は、イザヤ書55章8-9節を想起させる言葉です。詩人はこの言葉において、人間の想像を越えた比較を絶する神の恵みに対して、人間の無力を証明しようとしています。しかし、天と地との隔たりも、人間の罪の世界と、罪人を受け入れる神の恵みの現実との隔たりを説明するのに十分でありません。だから、詩人は神の愛を、父性愛として描いています。
まことの父性愛は、子供を決して見捨てず、強い手をもって導き、子が罪を犯すとき、厳しく叱ることはありますが、背後に強い憐れみを秘めており、畏怖の念を抱かせ、その愛の下へと立ち帰りを促すのです。主の慈しみは、人を超えて大きいと語るこの言葉は、地上の父親の父性愛よりも、はるかに超えて高いというのです。父親の愛を知らずに育った、主を畏れ敬う人にも、神は父親の愛にまさる高き愛を示してくださるというのです。