2023年10月の聖書の言葉
神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような
試練に合わせることはなさらず、試練と共に、それに
耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。
(コリントの信徒への手紙一10章13節)
わたしたちの人生・信仰の歩みにおいて試練に襲われることがあります。それを避けることはできませんが、わたしたちが本当に神にのみ信頼して生きる者であるか、神は悪魔の誘惑さえ用いて試されることがあります。
しかし、この御言葉は慰めに満ちています。自分は試練にとても闘ええない、とても勝てないと思っている「弱い人」に向かって、パウロは、神は人間が耐えられないような試練は与えられない、と語っているのです。キリストはわたしたちの罪、肉の弱さをすべて背負い十字架にかかって死なれましたが、墓より復活し、ご自身が与えると約束された救いの確かさと真実を証されました。試練を耐え忍ぶ中で、キリストを信じ、キリストに己を委ねて生きる者に、神はその恵みを豊かに与えてくださいます。それと同時に、その試練に耐えられる逃れの道をも用意してくださいます。
その道がどのように示されるか誰にも判りません。しかし、神は必ずそれを備えてくださいます。そのことを信じることが大切です。だから、わたしたちの信仰の歩みに試練があることを知っていることは幸いなことです。そこに深い意味のあることを、わたしたちは、学ぶべきです。主イエスは、捕らえられる前に弟子たちのために祈られました(ヨハネ福音書17章)。その祈りの中で、「わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです」(15節)と述べられています。このキリストの祈りに支えられて、わたしたちは試練に立ち向かう勇気を与えられているのです。死に打ち勝たれた主イエスがその祈りを、今も祈っていてくださっているのです。時は「終りに直面している」、という信仰の認識の中で、今をどう生きるかが一人一人に問われています。その試練に、キリストの祈り守りを信じ、キリストを仰ぎ見、恵みに委ねて生きることが求められているのです。