愛知県名古屋市昭和区のプロテスタントのキリスト教会

2024年2月の聖書の言葉

2024年2月の聖書の言葉

わたしは見た。
見よ、大地は混とんとし
空には光がなかった。
(エレミヤ書4章23節)

八方尾根から五竜岳(右)、鹿島槍ヶ岳(左)を眺む2021.8.11.13:57撮影)

この聖書の言葉は、エレミヤが預言者として活動した初期のもので、「北からの災い」を告げる預言の一節です。エレミヤは破れと混沌の世界の現実を、「真昼の暗黒」として告げようとしましたが、それを間近な現実として伝えようとしたのではありません。ヨシヤ王が強力に改革を進め、ヤハウエ宗教による民族主義的な復興運動を推し進めようとしていた事を背景にして語られています。ヨシヤの祖父マナセの時代、イスラエル王国を滅ぼしたアッシリア帝国は衰退に向かっていました。ヨシヤはその機をとらえ、宗教の浄化と領土の拡張を行い、ソロモンの死後分裂していた「大イスラエル」再興のイデオロギー実現に向けて歩んでいました。エレミヤは、その改革的政策がもたらす将来は光り輝く希望的未来を示すものではなく、真昼の暗黒のように混沌としたものでしかないと見ていました。「山は揺れ動き、すべての丘は震え」(26節)、「実り豊かな地は荒れ野に変わり、町々は主の激しい怒りによって打ち倒されていた」という将来を見据えての預言です。改革も悔い改めも、心からの主の言葉への立ち帰りを伴わない、表面的な運動としてとどまるなら、それは輝くように見えても、一瞬の輝きでしかなく、その後は光のない闇、混沌へと変化してしまう危うさをエレミヤは指摘しました。現実をそのように見通す目を持つことが、今を生きるわたしたちにも求められています。

今月の聖書の言葉

お気軽にお問い合わせください TEL 052-751-8360

今月の聖書の言葉

PAGETOP