愛知県名古屋市昭和区のプロテスタントのキリスト教会

2019年10月の聖書の言葉

2019年10月の聖書の言葉

高い山に登れ
良い知らせをシオンに伝えるものよ。
力を振って声をあげよ
(イザヤ書40章9節)

悲惨な体験をしている人は、顔をあげて叫ぶ元気を持てません。下を向いて、虚ろな目で、喘ぐように呼吸して、うめき声を上げることしかできないかもしれません。その悲惨な原因は自分自身にあることもありますが、親や指導者の誤りによってもたらされることもあります。巡り合わせた悪い時代に生きる人は、どうしようもない巨大な力の前にあえぐしかないと考えるでしょう。しかし、そういう人間たちの現実を変える神がおられます。ここで高い山に登れと呼びかけられている人間は、悲惨な体験をして失望落胆している人間です。そういう人間に向かって、「良い知らせ」(福音)を告げ知らせるために、「力をふるって声を上げよ」と神は呼びかけておられるのです。彼が伝えるべきことは、「見よ、あなたたちの神、見よ、主なる神。彼は力を帯びて来られ、御腕を持って統治される」という神が切り開かれる新しい時代、新しい支配です。バビロンの地で捕囚体験している者に向かって、「神の言葉はとこしえに立つ」という慰めを語る主なる神が、主のために、「荒れ地に広い道を通せ」と呼びかけているのです。失望落胆しているその人物に、神の救いの到来を告げる喜びの使者として立てというのです。成功し権力にものを言わせて支配している者から、高い山に登って、その者の勝利を告げよといわれているのではありません。その様にお前を支配している者の支配を終わらせ、神であるわたしが、お前の羊飼いとなって養い、御腕を持って導く、そういう支配を始めるから、お前と同じように苦しむ仲間に、その救いの到来を告げる者となれ、と呼びかけられているのであります。キリストに救われた者は、時代の悲惨な現実を同じ時代の民と共に生きていますが、その中から救われた者として、高い山に登り、よい知らせ告げる使命を与えられて、立てられているのです。

今月の聖書の言葉

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