2016年4月の聖書の言葉
主は常にあなたを導き
焼けつく地であなたの渇きをいやし
骨に力を与えてくださる。
あなたは潤された園、水の涸れない泉となる。
(イザヤ書58章11節)
岳沢湿原
わたしたちの人生には、焼け付くような苦しみ渇き悩まされることがあります。外面的にはその苦しみの原因が取り去られるように見えても、現実は少しも変わらないように思える事実の前に愕然とすることがあります。この聖書の言葉は、バビロンの捕囚の地からエルサレムに帰還した人々に向けて語られた言葉です。バビロンから帰還は嬉しいことでありましたが、エルサレムの町は破壊されたままで、神殿再建がなされない状態が長く続く中で、人々心は焼け付くような渇きを覚えるようになりまし。
この言葉は、飢え乾く者が、尽きない泉に導かれて、渇きを癒されるということを語っているのではありません。エルサレムには、慰めを期待する人が多くいましたが、破壊された町で人が人を励ますには、励ます人の信仰が問われることになります。この民を「わが民」として今なお愛しておられる神は、「あなたが呼べば主は答え、あなたが叫べば『わたしはここにいる』と言われるお方で、歴史を支配し導いておられるのです。どんなに飢え渇く、焼け付くような日々を過ごしていても、その神に心を向け、神の言葉に耳を傾ける生活を回復する時、その人は、飢えている人、苦しんでいる人に、心を配れる人間へと変えられて行きます。そして、その人は闇に輝く光の存在へと変えられ、その人自身が常に主なる神の導きを受け、人に力と希望を与え、潤された園、水の涸れない泉となって、人に潤いを与る人に変えられて行きます。